会社設立 初心者編15 簡単な帳簿のつけ方 前払費用とは
会社設立をしてから支払ったものを順番に帳簿を付けてきましたが、決算を迎えるにあたり、決算整理仕訳というものが必要だと知りました。
来期の費用となる部分は今期から除かなければならないようですが、期中に作成していた帳簿は現金の支払いの都度、記載していましたので、①千葉市の事務所の一年分の火災保険料②来期に千葉市で受講する予定の講座受講料などが含まれています。これらは今期の費用としたままでよいでしょうか。
それとも決算整理仕訳をして、今期の費用から除くべきでしょうか
費用を一括して前払いして、それが会計期間をまたいでしまうことは会社設立をして経営をしていくと起こりうることです。決算日以降に効力が発揮するものやサービスの提供を受けるものは当期の費用とすべきではないと考えますので、これを決算整理仕訳によって前払費用という勘定科目に振り替えて、その期の費用から除かなければなりません。前払費用は経過勘定項目の一つで、決算時に計上される資産勘定です。
①の保険料を一年分支払った場合は、来期の費用となる部分を月数などで按分し、前払費用に計上します。
（前払費用）××× （保険料）×××
②の受講料については、翌期にサービスの提供を受けることになりますので、今期には費用とすることができません。よってこの場合も前払費用に計上します。
（前払費用）××× （教育訓練費）×××
前払費用は、期中に現金主義による費用計上していたものを、決算時に発生主義の観点から経過期間に応じたサービス提供部分のみを今期の費用にするために計上します。
決算手続の一項目として行いますが、「期中は現金主義、決算時には発生主義」という考えに基づくとすると、翌期首には前払費用に計上したものを費用に戻さなければなりません。
この作業を再振替仕訳と言います。
（保険料）××× （前払費用）×××
決算時に行った決算整理仕訳の逆になりますが、翌期には必ずこの仕訳を行い、期中現金主義に戻してください。
ただし、家賃や、毎回または毎月支払う保険料は、決算時に決算整理仕訳をしたとしても損益にそれほど影響がありません。
翌期にサービスを受ける費用を今期中に支払った場合には、前払費用として今期の経費から除くのが原則ですが、下記の条件を満たすものについては決算整理仕訳をせず、支払時にすべて費用として処理することが認められています。
イ．支払った日から一年以内に提供を受ける役務に係るものである
ロ．支払った金額を継続してその事業年度の費用として計上している
よって、お問い合わせいただいた①の保険料が毎年支払うような費用である場合、全額を当期の費用とすることができます。
②の場合については、継続して発生するものではないと考えられますので、前述の通り決算整理仕訳を行い今期の費用から除いてください。
会社設立をして決算を迎える頃になりますと、簿記の記帳だけではなく法人税などの知識が必要になることがあります。お困りのことがありましたら会社設立千葉／起業.netまで是非お気軽にご相談ください。０４３ー２２４ー３６８１
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