特にこの分野で会社を設立したい、起業をしたいという強い目的意識も無く、何となく会社を作って経営をすれば、会社員をやっているよりも良いのではないか、会社設立でもするか、会社設立しか無いか、的な起業は極めて失敗する確立が高いと言わざるを得ません。

類似商号の撤廃、事業目的の規制の緩和、最低資本金制度の撤廃等により、殆ど実務経験の無い行政書士、司法書士でも、会社設立をすることは可能です。 ただし、定款には、会社設立後事業を軌道に乗せる為の様々な要素を盛り込んでおくことが必要です。

何も考えない単に設立だけをすれば良い、安い早いだけが取り柄の安易な会社設立では、設立してから後、得意先からの信用が無い、銀行からの融資も受けられない、内紛が生じて会社の運営が実質上困難になった、余分な税金を支払った、等の問題が生じています。

会社設立にあたって、すべての事項を戦略的に織り込まなければ失敗する可能性の高い、後悔する会社設立になると考えられます。 どのような事業分野でも先に開業した会社がしのぎを削って競争をしています。そのような企業競争に特に目的を持たずに企業してもうまくいくことは無いと考えられます。

会社を設立して経営者になれば全てが自己責任になります。 起業家の中には、突然世の中全体の景気が悪くなったから、自分の会社の売上も伸びないのはしょうがない。他も皆悪い。政治が悪いと自社の経営の状況を他人のせいにする方もいます。また、誰かに言われて会社を設立する方もいます。このような場合も成功確率は低いと言わざるを得ません。

経営者になると単に一つ一つの作業や業務をこなしているだけでは、会社の運営は出来ません。好むと好まざるとに関わらず、税金、会計、労務問題、取引先との契約行為等、法律問題にも直面します。そのような時に起業や会社設立に詳しい税理士、行政書士、社会保険労務士等の専門家と、いつでも相談出来るようにしておくことが必要です。

一つの判断ミスが後々金額にしたら数百万、数千万円の損失をもたらさないとも限りません。 このような専門家の協力や家族の協力の無い会社設立や起業は、上手くいかない可能性が高いと考えられます。

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